登山時と下山後をイメージした機能性×グラフィックのコラボT
ジェリーさんがコロンビアと仕事で関わるようになったのは約3年前。Tシャツのグラフィックを依頼され、その際に“Columbia Hiking Club”というテーマや、“Mr.C”というキャラクターが誕生しました。
「“Mr.C”はだいぶ気に入っているけど、キャラクターって難しい。ただそこにいるだけだと生き生きとしてこなくて、何かストーリーをあげなきゃいけないんだけど、そこは今後もっとやっていきたいかな。例えば、僕のキャラクターで“ジェリー・マルケス”っていうのがいて、あれも最初にTシャツでやった時はあまり反応が良くなかった。ただそれから5年くらいしてジェリー・マルケスの本を書いたら、ものすごい人気が出たんだよね。やっぱキャラクターって、絵がいいとかじゃなくて背景が大事なんだなってその時に思った」
そして今回“Columbia Hiking Club”をテーマに、ジェリーさんとコロンビアのコラボTシャツがリリース。春夏のアウトドアが快適に楽しめるクーリング機能オムニフリーズゼロを採用した『ライトキャニオンオムニフリーズゼロショートスリーブTシャツ』と、速乾性が高いポリエステル100%素材を使った『アフターマウンテンショートスリーブTシャツ』。前者はOn the Mountain(登山時)をテーマに、山を登っているMr.Cと “ORGINARY MOUTAIN LIFE”のワードが描かれた2種類。後者はAfter Mountain(下山後)をテーマに、寝袋で寝てるMr.Cと“ENLIGHTENMENT AFTER MOUNTAIN”のワードが描かれた2種類(各3カラー)がラインナップされています。
ジェリーさんがこの日着ていたのは、『アフターマウンテンショートスリーブTシャツ』で、カラーはColumbia Grey。フロントには “ENLIGHTENMENT AFTER MOUNTAIN”のワードが描かれ、“ENLIGHTENMENT”は「悟り」という意味。それはジェリーさんにとって山における裏テーマだといいます。
「人には言わないの。だって悟りなんて言ったらヤバいというか、ダサいじゃない? ただ、“山に行ったらどんなことでもいいから成長してきてほしい”っていう気持ちはあって。(外遊びについてまとめた本の)『SOTOKEN』を一緒に手掛けていて、今は岩手に引っ越して木こりをしている岡部(文彦)くんは、昔から山に行くといつもゴミを拾って帰る。それは彼に初めて会った10年以上前からそうで、“自然を見るのが好きだから、景色が汚れているのは好きじゃないんだ”って言うわけ。すごいいい心掛けだなと思って、それから僕も真似したら自分が気持ちいい。そういうことを繰り返していくうちに、“自然の中で遊んでいるうちに心を成長させてもらったんだ”と思ったの。アウトドアを好きな人が良いマインドを持てたらいいなと思うし、みんながいろんなことに気付いてくれたらいいなっていう想いを込めて、“ENLIGHTENMENT”にしました」
最後に、ジェリーさんのような暮らしに憧れる読者に向けて、生活の中に取り入れられる“アウトドアなライフスタイル”のアドバイスをお聞きしました。
「今はなかなか遠くに行けないと思うから、やっぱり一番は“散歩”だよね。山でも街でもいいし。歩くって考えることだから。すごくいいアイデアも浮かぶし、気持ちもポジティブになる。都会でも探せば緑はたくさんあるし、そういうところを歩きながら自然の小さな変化を感じるのはすごくいい」
アウトドアとの関わりを通して成長し、得たものを日々の暮らしと仕事にアウトプットしているジェリーさん。そのサイクルを大切にしている限り、気持ちのいい暮らしはこれからも続いていくのでしょう。
プロフィール
ジェリー鵜飼
1971年生まれ。アートディレクター、イラストレーターとして活動中。数々のCDジャケットやファッションブランド、アウトドアブランドのロゴ、広告、カタログ類を手掛ける。また最近は執筆活動も積極的に行う。ウルトラヘビーのメンバーとしてアート活動も意欲的に行っている。
Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:市川 秀明