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2021.05.26

自然とともに暮らす、ジェリー鵜飼のアウトドアなライフスタイル

イラストレーター&ウルトラライトハイカーのジェリー鵜飼さんのアウトドアな暮らしにフィーチャー。コロンビアとコラボレーションした新作Tシャツも完成! コラボアイテムの魅力もお聞きしました。

数々の有名アウトドア&ファッションブランドの広告やカタログ、企業ロゴ、CDジャケットなどを手掛けるイラストレーターのジェリー鵜飼さん。無類のアウトドア好き&ウルトラライトハイカーとしても知られ、『ULTRA HEAVY』『MOUNTAIN POOR BOYS』『SOTOKEN』などのメンバーとして、さまざまな視点からアウトドアの遊び方・楽しみ方を提案しています。このたび、ジェリーさんとコロンビアの新作コラボTシャツが完成! そこで今回は、ジェリーさんがクリエイティブを日々生み出すアウトドアな暮らしにフィーチャーするため、自然をたっぷり感じられる立地に心地良い空間が広がるジェリーさんのご自宅へ。

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緑に囲まれた高台の一軒家で、自然を身近に感じながら過ごす日々

「(コロナ禍で)気持ちがうんざりしている部分はあるけど、緑が多いところに住んでいるのもあって、日々の生活の中でなんとか自分の気持ちいいところは見つけられているかな」

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ジェリーさんのご自宅は、東京とは思えないほど豊かな緑に囲まれた高台に立つ一軒家。開放的な空間には青空から差し込んだ暖かな光の中に涼しい風が抜け、静かな時間が流れています。ここはジェリーさんにとって家族との大切な時間を過ごす“家”であるとともに、さまざまなクリエイティブが生まれる“アトリエ”。日々の生活の中では心地良いルーティンが生まれ、今では仕事に対する姿勢にも変化が生まれているそうです。

「犬を飼っているから午前と夕方の1日2回は必ず散歩。あと子どもの送り迎えがけっこう遠くて、自転車で片道5kmの30分。犬の散歩は近くの野川沿いによく行くけど、もう最高ですよ、天国。ただ早起きは苦手だから、娘を送ったあとにしますね。こういう話をすると“ジェリーさんっていつ仕事してるの?”って思われるだろうけど、1日のうちで仕事をする時間は集中して5時間未満。下手したら3時間ぐらいしか働いてないけど、その代わりめちゃくちゃ集中してやる。今はだらだら仕事をしなくなりましたね」

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▲愛犬のアルバくん。

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▲普段から散歩でも訪れるというご自宅近くの野川。

ジェリーさんご家族がこの家に住み始めたのは約5年前で、家を探す時の絶対条件は“都内にいながらも自然を感じられる場所”。ただし、子どもが生まれる前に引っ越そうと考えていましたが、なかなか理想の家が見つからず。妥協せず探している中、娘の六花ちゃんが1歳になった時にようやくこの家に出会えました。

「草木は自然と生えてくるし、ある時はメジロが子育てをしていて、ある時はキツツキもくる。あとタヌキもよく階段を登ってくるんだよね。だから家に関して自分がこういうのを作りたいというよりは、何か来てくれないかなっていう感じ。あと、娘との過ごし方でいうと家にテレビもないので、部屋の中で遊ぶというよりは外で土をいじったり、草を抜いたり、木の実を取ったり。そういう遊びを心掛けているかな」

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▲自宅近くの雑木林は、娘の六花ちゃんのお気に入りの遊び場でもある。

そしてジェリーさんにとって“理想の家”のイメージを形作っているのは、海外で過ごしたある体験。

「アウトドア・ブランドの仕事で2010年ぐらいから毎年、北米へ長めに行く機会があって、その時に向こうの人の家によく遊びに行ったの。そうするとポートランドやサンフランシスコのもっと山の方に住んでいる人の家がとにかく楽しいわけ。バックヤードがあったり、庭で焚き火をしていたり、日本では考えられないような空間に住んでいて。“ああなんかこんな暮らしいいよな……東京じゃ無理だよな……”と思っていたけど、それからめちゃくちゃ熱心に家を探しましたね。個人的には、家は変におしゃれにしすぎたくないっていうのはあって。海外の人の家もいい意味でみんな雑だし、今はそのちょっと雑な感じになっていると思う」

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原点はウルトラライト。50歳で辿り着いた理想の暮らしと仕事

今では“ジェリーさん=アウトドア”のイメージは定着していますが、遡ると原体験は美大時代。ただし、始まりは登山やキャンプといったアクティビティではなく、山にまつわるスピリチュアルな世界観への興味でした。

「最初は登山にまったく興味がなかったけど、美大に行っていた頃、周りには“インドに行ったほうがいい”みたいなスピリチュアル的なことを言う人が多かった。あと時代的に90年代の前半って海外でレイブが盛り上がり出した頃。日本ではまだそういうのはなかったけど、その仕掛け人的な人が周りにいて、“あそこはパワースポットだ”みたいな感じで山へ連れて行ってくれたの。だから最初は登山じゃなくて、“山の中に入ってエネルギーをもらう”みたいなイメージ。装備もちゃんとしたバックパックやシューズは持ってなかった」

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しかし、そんなジェリーさんとアウトドアの関わりに大きな変化をもたらしたのが、アメリカのハイキングカルチャーの中で産声を上げた“ウルトラライト(以下、UL)”というスタイルでした。

「2009年ぐらいにULが出てきて、それが自分にはぴったりハマった。そこからはめちゃくちゃギアもこだわって探すようになりましたね。その頃によく行っていたのは奥多摩。雲取山がある石尾根が、当時ULを始めた人たちが都内で実験する場所だったの。ULってあの頃は“日本では通用しない”とか“そんな装備で行くのは危険だ”とかすごく叩かれていたけど、その頃の僕らはなんとか日本でも定着させたくて、試行錯誤しながら情報共有して活動していた。その時のメンバーは、『Moonlight Gear』の千代ちゃん(千代田高史)や『Hiker’s depot』のツッチー(土屋智哉)、『山と道』の夏目(彰)とか。あとは『jindaiji mountain works』をやっているジャッキー(ボーイスリム)や、『SOLA TITANIUMGEAR』の風空(フウソラ)くんとかもいたんだよね」

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そして、その時期を共に過ごした“同志”たちとの繋がりは、ジェリーさんの仕事の面へ広がりを見せていく。

「ULにハマる前からアウトドア・ブランドの仕事はしていたけど、ULにハマってからは一緒に山に行っていた仲間がみんなお店やブランドを始めて、そこからTシャツやステッカー、ロゴとかを頼まれるようになった。あの頃は今以上みんな情熱的で、“叩かれたからこそやってやる”ってムキになっているところもあって。あの時期を共有している仲間はみんな信頼しているし、絆がある。今はどのアウトドア・ブランドもオシャレなウェアを出していて、よりどりみどりだけど、そういうのがない頃にみんなでシーンをつくっていた」

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イラストレーターをベースに仕事を続けて25年、今では執筆業なども含め多方面に活躍するジェリーさん。驚くことに、これまでご自身のホームページを作ったことも、自分から営業活動をしたこともないといいます。

「うまく言えないけど、今の仕事がなくなったら他の仕事でもいいわけ。毎日気持ちいい生活ができれば。この家の家賃はびっくりするぐらい安いし、ローンを組みたくないから外車とかは買わない。そうしていれば自分の収入が落ちても困らないし、普段からお金のかからない暮らしに慣れているわけ。仕事は30代の頃は徹夜したりしてたくさん働いたけど、今年で50歳だからそろそろ“着陸体制”。もうそんなにあれしたいこれしたいとか、有名になりたい、大きな仕事をしたいとかはなくなってきた。今は自分のやりたいことだけしたい。一番いいのは、自分の描いた絵が売れるのが究極だなって。コロナウイルスの影響とか関係なしに、ここ5年ぐらいそういうことをずっと考えていた。種を蒔いて、耕して、ようやく今、小さな実を収穫できるようになってきたところ」

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