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2021.04.19

トレラン初心者も必見!アスリートに聞く、レースへの臨み方とリカバリー方法

【トレイルランニング座談会 後編】トレイルランナーの有志9名と4名のコロンビアモントレイルアスリートによるトレイルランニング座談会。後編では前編の内容の続きに加え、レースへの準備、レース中のケア、レース後のリカバリーなどをじっくり語っていただきました。

トレイルランナーの有志9名が、4名のコロンビアモントレイルアスリート(上田瑠偉選手、大塚浩司選手、三浦裕一選手、柿本恵理選手)にトレランならではのトレーニング方法やシューズ選びの疑問をあれこれぶつけ、本音で語っていただいた座談会の後編。今回はレースに臨む際の準備や、レース中の対策&レース後のケア、アスリートの勝負服などについて、有志9名がアスリートにさまざまな質問を投げかけました。

※この記事は、CSJ magazineで2019.9.17に掲載された「コロンビアモントレイルアスリートと語る トレイルランニング座談会 後編」の内容を再編集し、増補改訂したものです。(着用ウェア、掲載商品は取材当時のものとなりますので、一部取扱がない場合がございます。)

columbia_0215-thumb-705xauto-111628 トレラン初心者も必見!アスリートに聞く、レースへの臨み方とリカバリー方法

レースは準備が9割。自分が自信を持ってスタートラインに立てるか

工藤さん:レースの経験はまだ3回しかありませんが、準備万全と思って臨んだのにも関わらず、「ああこうすればよかった……」と必ず反省点が出てきます。準備やレース中に気を付けていることや、失敗から学んだことなどを教えてください。

columbia_0030-thumb-705xauto-111630 トレラン初心者も必見!アスリートに聞く、レースへの臨み方とリカバリー方法

▲神奈川県在住の工藤さん。トレラン歴1年。

三浦選手:レースに関しては、準備が9割だと思います。準備を失敗したら、どんなレースでも精神的に動揺してしまい、無駄に消耗してしまって最後まで持たなくなる。だから「あれも持ってきた、これも持ってきたから大丈夫だ」という状況を自分でつくるのが大事だと思います。僕の場合、車で移動するときは人より1.5倍くらい荷物が多い。「雨が降ったらコースがぐちゃぐちゃになるかも」「そうしたら靴下や靴の替えが必要」「他にも雨具を持っておこう」とか、いろいろシミュレーションしています。そして、レース前日の夜に天気予報を確認して、必要ないものを省いていってベストな状態にする。僕はレースで勝負をしなくてはいけないから、重くなる無駄なものはできるだけ持ちたくないので、限界ギリギリまで削ることを心掛けています。ただし完走が目的の方ならば、ジェルなどは少し多めに持っていってもいいと思う。レース途中に気持ち悪くなってジェルが飲めなくなったときのために、自分の好きなもの……例えば柿の種でもビーフジャーキーでも何でもいいと思うので、ちょっと癒やしになるようなものを持っていきましょう。

──用意するもの以外で、ルーティーンでやることはありますか?

三浦選手:ショートのレースだと、胃が気持ち悪い状態では走りたくないので、スタートの2〜3時間前には食事を終えてリラックスするようにしています。あとは、泊まっている宿に朝でも入れるお風呂があれば必ず入り、身体を温めてストレッチ。逆にレース会場に着いたら、疲れないために何もやりません。

上田選手:僕も朝は身体を温めるためにお風呂かシャワーは必ず。身体が起きるまでに5時間は掛かるのでスタートの5時間前には起床します。早朝のスタートの場合は、睡眠時間が少なくなるので4時間前に起床し、朝食はスタートの3時間前には済ませますね。何より日頃から練習して準備しておく、それが一番。どれだけ自分が自信を持ってスタートラインに立てるかで、完走できるかどうかが決まってくると思います。

工藤さん:レースプランは立てますか?

上田選手:僕の場合は優勝しか狙っていないので、大雑把に20キロ間隔でこれくらいかなと考えるけど……。練習が十分でない人は、プランは考えない方がいいように思います。なぜなら達成できなかったときに落ち込んでしまうから。

大塚選手:僕の場合、ハセツネCUPでは第1関門をいつも決めてやっているけど、そこから著しく遅いと本当にやる気がなくなる。その意味で自分のモチベーションが下がることはしない方がいい。あとは会場で並ぶのが嫌だから、行くまでの間にトイレを済ませておくことは必ずやっていますね。車中泊も疲れるだけだから絶対にしません。

“身の丈運営”の大会と、山で練習する際に心掛けるマナー

ワカさん:トレランの大会を開催するときに気を付けていることや、トレランのマナーについてどうお考えですか?

columbia_0023-thumb-705xauto-111631 トレラン初心者も必見!アスリートに聞く、レースへの臨み方とリカバリー方法

▲東京都在住のワカさん。トレラン歴2年。

大塚選手:僕は長野県に住んでいて、大会も長野がほとんど。長野には人が全然来ない里山がいくらでもあって、トレランの大会をすることで地域振興に繋がると考え、そういう登山者やハイカーさんがいない山を切り開いてやりましょうと提案するんです。コースは基本的にワンウェイではなく、選手がスタート地点に帰ってくるラウンド型に。その方が応援もしやすいし、会場を2つ作るとお金も2倍掛かってしまう。その意味でも、開催に関して一番大事にしていることは“身の丈運営”。うちの場合、スタッフ全員がトレイルランナーです。よくわかっていない人がやると、必ずミスが出る。わかっている人だけで、できる範囲のことだけをやる。コースの距離が長くなれば、それだけエントリー料が高くなるので収益は上がりますが、それは身の丈ではないから絶対にやりません。初心者を少しずつでも育てていこうと考えています。

上田選手:マナーに関して言えば、山で練習する場合、ハイカーさんが多いところはできるだけ選ばない。もし選んだとしても、ハイカーさんが特に多い休日や日中の時間帯は避けます。そして、どんな山でもハイカーさんや登山者には必ずびっくりさせない程度の大きな声で挨拶をします。こちらの存在を認識してもらうためにも挨拶は重要。中には「なんで知らない人が挨拶してくるんだろう?」みたいに思う方もいますが、それでも挨拶はしっかりしますね。

柿本選手:下りは絶対に止まれるスピードでしか走らない。慣れている場所だとしても、危険ということを忘れてはいけません。そして挨拶は本当に大事で、そこから会話が生まれることもあります。

三浦選手:大会のときに心掛けているのは、ハイカーさんや誘導の人に必ずアクションを起こすこと。コース誘導の人には「ありがとうございます!」と声を掛けたり、体力的に余裕がないときは手を挙げて感謝を伝えたりします。普段の練習ではハイカーさんに遠くから声を掛け、避けてくれた際にはすれ違うときや追い越すときに「ありがとうございます!」と言いましょう。

上田選手:あと登り坂とカーブは注意すべき。登り坂は視線が下に向きがちで、反対側から降りてくる人に気付かないことが多いので、つらくてもこまめにルックアップして行き先を確認すること。また、カーブは減速して前方確認をしっかりしてください。

登りで意識しているのは、腕振りや自分が前に倒れる力

ミツノさん:山を登るときはお尻の筋肉とハムストリングスが重要と思っているので、普段の筋トレもそれらを意識してやってはいます。登りを速く走るために意識してやっていることがあれば教えてください。

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▲神奈川県在住のミツノさん。トレラン歴10年。

上田選手:山を登るときは足首を固定している感じというか、傾斜がきつくなればなるほど足首はロックしますね。足裏をべたっと地面に着けるとアキレス腱が伸び、ふくらはぎがピンと張って疲れてしまう。僕の場合、登りで意識しているのは腕振りです。進行方向に向かって腕振りの勢いで身体を持っていくようなイメージ。引くというより振り上げる方を大きくする。斜面に対してあまり足を上げ過ぎてもダメ。足は斜面に対してつま先を平行に出すというか、お尻と股関節で歩くようなイメージです。『キャプテン翼』の日向小次郎のタイガーショットみたいに(笑)、つま先がビューっと滑るようなイメージ。

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▲身体を使って登りの練習姿勢を教えてくれる上田選手。

大塚選手:人間は重力が働いているので、足で登るというよりは自分が前に倒れる力を利用するというのを意識してみてください。

三浦選手:普段の生活の中でお尻やハムストリングスを鍛えるのであれば、階段の1段抜かしの上り下りがおすすめです。

レース中のパフォーマンス&後のケアにも影響する日焼け対策

にのさん:レースの完走で満足して帰ったものの後日、半袖半ズボン焼けを会社の人に笑われてしまうことも。また、紫外線を浴びると余計に疲れるという話を聞いたこともあります。特に女性アスリートの方はどんな対策をしているのでしょうか? また、私は体調があまり優れないと練習を休んでしまうこともあって、そのときは「自分に甘いな〜」と自己嫌悪に。こういうのってやっぱりいけませんよね?

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▲東京都在住のにのさん。トレラン歴4年。

柿本選手:私は日焼けをとても気を付けています。顔・腕・足など素肌が露出しているところに、クレンジンク剤でしか落ちないような強力なタイプの日焼け止めを3度塗りしています。それと、レース後にパックも欠かせません。まずレースに出掛ける前に冷蔵庫にほてりを鎮めるパック剤を入れておき、帰宅したらすぐにパックして肌を冷やします。泊まりのときでも必ず持参して、ホテルの冷蔵庫に入れておく。あと体調が優れないときは無理して練習をしないようにしましょう。こういうスポーツをやっている人は自分を追い込みがちなので、そこは甘いくらいでいい。体調が優れないときに練習しても成果は上がらないし、怪我にも繋がりますから。私は8割を練習に、2割を回復する時間にと考えています。

大塚選手:僕は日焼け止めを1回も塗ったことがないから、この通り真っ黒です。でも最近は、日焼けの回復にエネルギーを使い、レースのパフォーマンスが落ちることもあるので、これからは日焼け止めを塗るようにしようと思っています。それと、サングラスは格好つけじゃなくて目を守るためにした方がいい。紫外線は目にも悪影響を及ぼします。

リカバリーの大切さ。レース後は身体をケアするために使うべき

えんたんさん:練習やレース後の回復にすごく時間がかかります。皆さんはどのようにしてリカバリーをしているのでしょうか?

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▲静岡県在住のえんたんさん。トレラン歴6年。

三浦選手:練習やレースの後にシャワーを浴びるとき、手にボディソーブを付けて足をマッサージ……というと大袈裟になりますが、少し揉むようにして洗っています。そうして足を触ると張っている部分や痛い部分がすぐにわかりますし、「今日の走り方はあそこが悪かったからここが痛くなったんだな」と振り返ることもできます。筋肉をほぐしながら走り方の改善もできるので一石二鳥ですよ。アイシングはよほど痛くない限りはやりません。練習は距離を踏むよりも、ひとつひとつのパフォーマンスを高くした方がいいと考えているので、僕の場合は週3は完全休養しています。身体が重いとか気持ち悪い状態で走っても、無駄に筋肉ばかりを使って余計な疲れが溜まるだけ。今日はだるいから走りたくないと思ったら止めて、その時間は身体をケアするために使うべきだと思います。

大塚選手:45歳になり、当然ですが20代や30代のときと疲れがまったく違うと実感しています。若い頃はレースに出たら全力を出し切るので、疲労抜きジョグなんてできなかったし、「なんでそんなことやってるの?」と思っていたぐらいです。ただし40歳を過ぎて、疲労抜きジョグの大切さがようやくわかりました(笑)。レース後に疲れ切ってはいるのですが、足を動かして血液を回しておかないと乳酸が溜まって筋肉がカチカチになってしまう。なのでレース後すぐ、疲労抜きジョグをゆっくりでいいんで3キロくらいやります。また、翌日の筋肉の状態がかなり良くなるので足をオイルマッサージすることも。レース後はあまり何かを食べられる状態ではないので、りんごや桃など好きなフルーツを食べるようにしています。あと温泉に入るのもリカバリーには抜群にいいですよ。

アスリートの勝負服! 着こなし&カラーへのこだわり

──SNSで募集した質問です。勝負服や着こなしについてこだわっていることはありますか?

三浦選手:僕は青だったり黒っぽいグレーだったり……。まちまちであまりこだわりはありません。

大塚選手:赤は着ないってことぐらい。だいたいはブルーか黒系ですね。チアユーアップヘッドバンドは気合いが入るので必ずします!

上田選手:僕も同じくヘッドバンドは必ずしますね。気合が入るし、勝負モードに切り替わるから。それと汗止めになってサングラスに汗が垂れないので実用性も高い。色は緑系のウェアを着ているといい記録が出るような気がします。

柿本選手:私は青を中心にコーディネートを考えるようにしています。ヘアバンドやアクセサリーなどは身に付けませんね。

──それではこのあたりでお開きとさせていただきます。アスリートの皆さんから聞いたお話をぜひともご自身のトレランライフに活かし、さらに周りの仲間にもシェアしていただければと思います。みなさん、本日はありがとうございました!

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▲最後に参加者全員で記念写真。憧れのアスリートとの2ショット撮影でも盛り上がりました。

Photos:小関 信平

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