Lifestyle

2021.03.31

ストリートシーン&カルチャーのトップを走る5人が「時代の変化」を熱く語ったトークセッション

5人それぞれの個性が際立つコロンビア・ファッションコーデ

──SNSやユーチューブがここまで浸透し、皆さんが始められた頃と環境がものすごく変わったと思いますが、そのあたりはどのように見ていますか?

STEEZさん「インスタグラムが始まったのは2010年くらいと聞いていますが、僕も2010年に始めています。アメリカに行ったときに友達がやっているのを見てすぐに始めました。今のような写真をポストするというよりは、画像のフィルターを付けるアプリみたいな身内ノリの感覚でしたね」

田圓さん「僕はミクシーから始めましたが、知らない人からメールが来て“かっこいいねー”とか。高校生くらいになってフェイスブック、インスタグラム、ツイッターと使うものが増えていきました。海外の知らない人から“世界大会が今度あるからおいでよ”というDMがきて呼ばれたりして、SNSで自分の環境がどんどん変わっていった感じですね」

TATSUYAさん「僕らビートボックスは音が大事だから、先輩のライブに行ってカセットレコーダーに録音して聴いていました。ユーチューブが流行ってからは、お手軽に世界中の情報が入ってくるもんね」

STEEZさん「名前がちょっと知られるようになったくらいの時に、自分で映像を作ってユーチューブにアップしたら、海外の人と初めて繋がりましたね。ユーチューブの存在は大きい!」

田圓さん「僕はインスタグラムでめちゃくちゃいろんな人と繋がった。海外に仲間ができて、海外戦のときに会場にそいつがいて家に泊まらせてもらったりとか。僕は正直、BMXの映像には興味がなくてあまり見ないんです。SNSはいい意味でも悪い意味でもみんながすぐに見られちゃうから距離感が近くなる。それがいいとも思うけど、近すぎちゃって見ているものがみんな同じなんですよ。そうなると技術もファッションもみんな同じになっちゃう。それが僕は面白いと思わないから、ここにいるような違うジャンルの人のSNSを見ていますね」

TATSUYAさん「僕は全部使い分けていますよ。同じ投稿をしても反応がまったく違うから。フェイスブックはどっちかというとビジネスとか行政とか大人なライン。インスタグラムは第2のホームページとでもいうのかな。新規の人はあまり入ってこなくて、自分のことを知っていてくれたり、興味を持ってくれたりしている人たち。それぞれに合った用途があるんだよね」

IKUさん「前にインスタグラムで、スクラッチのテクニックでどのくらい速い曲までメイクできるかということを仲間内でやっていたんだけど、それがどんどん広がったみたいで。世界大会に行った時には“あれ見たよ”“俺のテクニック見てくんない?”とかすごく言われましたよ」

──今日はコロンビアのアイテムを各々のスタイルで着用してくださっていますね。コーディネートのポイントを教えてください。

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▲この日は5人全員がコロンビアのアイテムを着用。

田圓さん「コロンビアの厚手のネルシャツとTシャツを着ています。急に寒くなってきたので、単純に風邪を引かないとようにと厚手のネルシャツを選びました」

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▲『デシュートリバーヘビーウェイトフランネル』

KO-YAさん「一番この中で薄着ですけどね(笑)」

田圓さん「僕、服は自分がカッコいいと自信の持てる服しか着ないんです。あと同じ服でもサイズを変えただけで見え方がだいぶ変わりますよね。今日はラフにしたかったのでパンツは太めにしました」

STEEZさん「ダウンがコロンビアのものです。普段着はシンプルイズベストを意識しています。ダウンとシャツとスニーカーで十分。逆にダンスをする時には、人とちょっと違うものを何か取り入れるようにしています。普段と踊る時は使い分けるというか、着方を変えるというのかな。普段はタイトにして、踊るときはオーバーサイズにするとか。変化で自分もファッションを楽しむようにしています」

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▲『アイスラインリッジジャケット』

IKUさん「コロンビアのジャケットを着て暑いかなと思ったけど、意外と理にかなっている格好でした。小雨がパラついていたけど、防水だから濡れても大丈夫。あとは動きやすいところがいい! DJする時って袖が気になるんですけど、このジャケットの袖にはベルクロが付いていて、まくって留められるようになっているんですよ」

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▲『キールスパイアージャケット』

TATSUYAさん「今日僕はほぼ全身コロンビアブラックレーベルのものです。黒が大好きなんですよ。ブラックレーベルのものってストリート感がありつつ、フォーマルなシーンにも合うようなきちんと感もあって、かなりのお気に入りです」

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▲『ジェームスビュートジャケット』

KO-YAさん「僕は大好きな90年代風にしてきました。コロンビアのこのジャケット、絶対90年代っぽい雰囲気出せるなと。僕は中1からずっと腰パン。腰パンブームが去った時も貫いていて、そうしたらまたちょっと流行ってきたからうれしいんですよね」

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▲『バガブー1986インターチェンジジャケット』

SNS時代に大切な“憧れ”と“人と人が繋がれる場所が大事”

──今のストリートシーンについて思うことや、後輩たちへのアドバイスなどをお願いします。

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▲雨模様の天候の悪い中、たくさんの人が集まって盛り上がりを見せた。

STEEZさん「今のブレイキンの子たちが大変だなと思うのは、それこそさっきのSNSの話にも通じますが、情報量が多すぎるのに、それが全部簡単に入ってきちゃうこと。だからどうしても同じようなダンサーが多かったりする。自分というものを持つのが大変なんだろうなとつくづく思いますね」

KO-YAさん「それはブレイキンだけじゃなくて、みんなそうだと思いますよ。似たり寄ったり問題、深刻ですよね。この情報社会の中で、ナイスな情報をつかんでいくコツみたいなものありますか?」

STEEZさん「今日のこういう場所じゃないですか! 直接、人と人が繋がれる場所。あと、どういう環境に身を置いているかということも重要な気がします」

IKUさん「SNS的な話をすると、情報を取るためにちょっと工夫するとふるいにかけられていい情報だけをゲットできます。いい例があって、インスタグラムで“#(ハッシュタグ)”がありますよね。あれで“#scratch”で検索すると、うまいものから下手なものまでいっぱい出てくる。さらにscratchを“skratch”に変えるとうまい人だけが出てくるんです。スクラッチの神様といわれているキューバートという人が、わざとcをkにしている。本当に知識のある人はそう検索することで、うまい人の動画だけをチェックしています」

田圓さん「最近よく思うのが、僕たちの業界だけかもしれないけど、憧れるという気持ちを持っていないように感じます。最初に話しましたが、僕は田中光太郎という人をスーパーヒーローだと思って、追っかけて追っかけて必死に真似して、そして気付いたらここまで来ていた。今は情報量が多すぎて、ひとりの人に強く憧れるというのがなくなってきているんじゃないかな。僕たちのカルチャーってオリジナルが一番じゃないですか。情報が多すぎるから小さいところのオリジナルを探してくるんですけど、世界を見たら結局やっている人がいて、それはオリジナルじゃないよ、となっちゃう。僕はもっと純粋に真似事でいいと思う。だから誰かに憧れるとか、全然違うジャンルの人でもいいから、そういう人にくっついてどんどん学んでほしいですね」

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▲会場内には、5人が着用していたアイテムが展示された。

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▲イベントは原宿にある『WAG GALLERY & PROJECT SPACE』で行われた。

トーク中は発言にツッコミが入ったり、来場者からの意見を聞いたりするシーンもあるなど、盛況に終わったトークセッション。終了後はフリータイムとなり、お酒を飲みながら、会場内のあちこちで人の輪が。今の時代を生き抜くためにSNSが欠かせないことは確かですが、STEEZさんの「人と人が繋がれる場所が大事」という発言に、5人のプレイヤーはもちろん、来場者の方も一斉にうなずいていたのが印象的でした。どんなにデジタル化が進んでも、最終的に重要なのは生身の人間同士の繋がり。プレイヤー同士、プレイヤーと来場者、来場者同士がリアルに繋がったと実感するイベントでした。

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