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2022.11.16

【後編】「負けたくない」スノーボーダー姉妹の不思議な関係性 〜プロスノーボーダー・冨田せな、冨田るき〜

滑る時に音楽はあり?なし?

パイプ競技の出番を待つ間、緊張した面持ちが画面に大写しになると、イヤフォンで音楽を聴いている選手が多いことに気がつくはず。スタートの直前、一体彼らはどんな音楽を聴いているのだろう?
冨田姉妹の場合、せなは音楽が滑りに欠かせない派、るきは不要派だそう。それぞれなぜ聴くのか、聴かないのかを尋ねてみよう。

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せな:私は高校生くらいの頃からずっと滑りながら聴いてるけど、るきは全然聴かないよね。

るき:うん。せなは結構ヒップホップとかを聴いてるんでしょう?

せな:そうそう。しかも、基本は1曲をひたすらリピートで聴いています。その時々で適当に流してみて、「今日の気分はこれにしよ」って決めたら、その1曲だけをずーっと流してる。

るき:え、飽きないの?

せな:うーん、曲調変わって、急にリズムが変わるとうまく滑れない気がするのね。まあ、大会で集中できている時は、スタートしたら何を流していても結局音は聴こえなくなるんですけど。

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るき:私も聴きながら滑ったこともあるけど、平衡感覚が自分の中でわからなくなっちゃって。回せるけどうまく着地できないことが続いて、音楽聴きながらだとうまく滑れないと思い始めちゃいました。

せな:聴くのをやめたら立てたんでしょう?

るき:そうなの。それ以来、滑る時はすっぱり聴くのをやめました。滑っている時に聞こえる風の音とか、氷の音って自分の中では結構大事なんじゃないかなと思っています。

せな:私は逆に、風の音や氷の音が怖いってこともあって、音楽を聴いて滑ります。音楽でいろいろなものを聞こえないようにして、気持ちを落ち着かせて、自分のペースに持っていけるように。だから、大会だから特別な曲を聴いてテンションを上げるんじゃなくて、いつも聴いている曲を、いつも通りに聴くって感じですね。

冨田せなのプレイリスト

PROFILE

冨田 せな(とみた せな)
3歳から父の影響でスノーボードを始め、小学1年でハーフパイプの大会へ出場。 中学1年でプロツアー「HASCO presents PSA OPEN」で3位になりプロ資格を取得。中学3年で全日本選手権で3位になり、スロープスタイルでナショナルチームに選ばれる。 翌年ハーフパイプのナショナルチームへ転向。2022年冬・北京で開催された、4年に一度のスポーツの祭典ではスノーボード女子ハーフパイプ初となる銅メダルを日本に持ち帰る。

Instagram:https://www.instagram.com/sena_tomita/

冨田 るき(とみた るき)
父の影響で3歳からスノーボードを始める。 保育園年中のとき、初めてハーフパイプの大会に出場以来競技の道を歩み始める。小学6年でプロ資格を取得し、2017年全日本スキー連盟強化指定選手となる。ジャパンカップでは3位入賞、全日本選手権では5位、ジュニアワールドカップ5位に入賞。2021年冬・北京で開催された、4年に一度のスポーツの祭典ではスノーボード女子ハーフパイプに出場し、5位入賞。

Instagram:https://www.instagram.com/ruki_tomita/

Text:池田圭
Photos:杉村航
Special Thanks:赤倉観光リゾートスキー場

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2022.11.16