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2021.09.13

エベレストサミッター・伊藤伴が行く。山小屋1泊ハイク in 甲武信ヶ岳

奥秩父の森は、雨のなかで輝く

山での一夜を過ごして朝起きると、森は雨のなかだった。
「奥秩父の山は、雨が似合うんです。こんな天気の日ほど、遊びに来てほしい」

甲武信小屋の小屋番さんのこんな言葉に送られて、山小屋を発つ。小屋番の言葉通り、雨に濡れた苔が生き生きと輝いている。雨に唄う奥秩父の森を、伊藤さんはさっそうと駆け下っていった。

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▲レインウェアに身を包み、雨の森へ。雨でも楽しめるのが奥秩父の良さだ。

〜山小屋泊登山の装備〜

ベースとなるウェアリングのほかに、伊藤さんはこんな装備を山小屋泊登山に持参する。

1.バックパック:「35ℓ程度ですべての荷物を収められます」
2.トレッキングポール
3.ダウンジャケット:休憩時や山小屋での防寒に。「山は温度差が大きいため、朝夕の防寒着は必須です」
4.着替え:「サブのパンツやフリースがあれば、山小屋で着替えてリラックスすることも、プラスアルファの防寒着に用いることもできて便利です」
5.レインウェア上下:山の天気は変わりやすい。「入山時は晴れていても必ず持っていきましょう」
6.インナーシーツ:コロナ禍で持参するよう求める山小屋も多い。「必須ではなくてもあると快適に寝られておすすめです」
7.水筒
8.ガス、バーナー、コッヘル:休憩時にコーヒーを沸かしたり、軽食を作ったり。「素泊まりにして、自分で調理してみるのも楽しいし、テント泊の練習にもなります」
9.サングラス
10.行動食・飲み物など:行動中に食べる行動食は登山の際に必須。「休憩時に飲むコーヒーやスープも複数種類を用意しています」
11.緊急装備など:ヘッドライト、熊鈴、エマージェンシーシート、トイレットペーパー、ホイッスル、モバイルバッテリーなど。
12.地図:「2万5,000分の1地形図と登山地図の両方を持参しています」

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レイヤリングのアドバイス

山やシーズンによってレイヤリング(ウェアの重ね着の方法)にも工夫が必要になる。裏地が格子状になっており朝夕の防寒はもちろん、行動中も樹林の登りは暑いけれど、立ち止まると寒くなるというケースもある。そんな時に秋山はもちろん、年中通して伊藤さんがおすすめするのがマウンテンハードウェア『マウンテングリッドジャケット』だ。

「裏地が格子状になっており、網目の部分が非常に薄いので汗のヌケがとてもいいのが特徴です。山での行動中、脱ぎ着せずにずっと着続けられる貴重な1枚。また、肌触りもよく、半袖の上に直接着用しても快適な着心地です」

『マウンテングリッドジャケット』をベースにすれば、朝夕の防寒に使うインシュレーションジャケットとレインウェアをプラスするだけで山小屋泊登山に必要なレイヤリングをカバーすることができる。

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▲『マウンテングリッドジャケット』¥18,700(税込)汗抜けがよく、急な登りでもオーバーヒートすることなく着用できる。程よい保温性があるので休憩時にも最適。一日を通して着続けられる、秋冬の登山にぴったりの一枚。

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▲(左)『T3 ジャケット』¥27,500(税込)、(右)『T3 パンツ』¥24,200(税込)

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▲(左)『ゴーストウィスパラーULジャケット』¥52,800(税込)、(右)『アセントパンツ』¥16,500(税込)

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▲『MHWロゴトラッカーハット』¥3,850(税込)

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▲『アルパインライト 35』¥39,600(税込)

●プロフィール

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伊藤伴(いとう ばん)
1995年生まれ、東京都出身。国際山岳ガイド・近藤謙司に師事し、中学3年でヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン、高校3年でネパールのロブチェ・イーストに登る。その後、2016年、当時日本人最年少の20歳141日で世界最高峰のエベレスト登頂。世界4位の高峰・ローツェにも継続登頂する。18年、日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージIIの資格を取得。現在はコロンビアスポーツウェアジャパンのスタッフとして働きながらガイド業を行う。

Text:川口穣
Photos:矢島慎一

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