レイヤリングのポイントと、＋αのお役立ちアイテム

「バックパック」「レインウェア」「登⼭靴」という“三種の神器”に加えて、登山初心者がウェアに関して気をつけておきたいのがレイヤリング。その基本的な考え方やポイントについても橋谷さんにお聞きました。

「登山ではひとつのウェアですべてまかなうというよりも、機能が異なるウェアの重ね着によって、体を快適な状態に保つレイヤリングが重要。レイヤリングは一番外側で雨や風を防ぐアウターレイヤー、肌に直接触れるベースレイヤー、ベースとアウターの中間で気温に応じて調整するミドルレイヤーに分かれます」

「アウターレイヤーはレインウェアが一般的で、防水性と同時に透湿性にも優れていれば、着ていて蒸れることはないですから、雨が降っていないときの防風防寒具としても使えます」

「ミドルレイヤーは、その日の気温や運動量に応じて調整するんですが、薄手のものから厚手のものまでいろいろ揃えておいて、そのときの条件に合ったものを選ぶと良いでしょう」

「ベースレイヤーに関して大切なのは速乾性で、汗をかいても冷えないというのがポイントですね」

さらに、登山のときにあったらなお良しというお役立ちアイテムも橋谷さんに選んでもらいました。

「帽子は紫外線対策に加えて、寒い時期は防寒用としてもぜひ。おすすめは『イエロードッグマウンテンブーニー』のようなハットタイプの形状で、つばが全体に回っているものは暑さ対策・紫外線対策として最も実用的。ただし日除けは風を受けやすいので、山で使う場合はあご紐の付いているものがおすすめです」

▲『イエロードッグマウンテンブーニー』¥5,390（税込）

「マルチケースの『ナイオベ』は私が普段から使っているんですが、バックパックのショルダーに取り付けて携帯電話を入れておけば、写真を撮るときや地図アプリを見るときにパッと出せるので便利です」

▲『ナイオベ』¥2,860（税込）

2023年の幕開けとともに、登山へチャレンジ！

最後に橋⾕さんから、心機一転でこれから登山を始めたい方たちへメッセージをいただきました！

「“たかが道具、されど道具”。道具が山へ行くわけではなく、人が山に行くわけで、その人の心が楽しいのがいちばん。その楽しさをサポートしてくれるのが、道具なのだと思います。サポートしてくれるというのは、2つの面があります。ひとつは安全面で、雨風を防ぐウェアだったり、滑りにくいシューズだったり。もうひとつは楽しさで、着ていてストレスのないウェアだったり、背負って軽く感じるバックパックだったり。今回紹介したようなアイテムをぜひ参考にしていただいて、登山を安全・快適に楽しんでください」

これまで登山に対して、興味はあるけどなかなか一歩を踏み出せなかった……という方も多いかもしれません。そんな方も、橋⾕さんが今回レクチャーしてくれた“三種の神器”やレイヤリングのコツ、そしてお役立ちアイテムなどを参考にして、2023年の幕開けとともに心機一転で登山をぜひ楽しんでみてください。

Text：ラスカル（NaNo.works）
Photos：辻村 敏之