「コロンビア×ビンテージ」の魅力に迫る企画の第3弾。古着好きのコロンビア店舗スタッフのふたりと、今回は都内有数の古着タウン「高円寺」の人気ショップへGO!定番からレア物まで、コロンビアのオンリーワンの個性的な古着にフィーチャー。
コロンビアというブランドは、現在では独自のテクノロジーを搭載した高機能なウェアのイメージがありますが、過去を遡ると、各年代でオンリーワンの個性を持ったウェアの数々を世に送り出してきました。そしてファッション好きたちの間で、コロンビアの古着は根強い人気があります。その点に注目したWITH OUTDOODRは、「コロンビア×ビンテージ」の魅力にフィーチャーするショップ訪問企画として、これまで「町田」と「代々木上原〜下北沢」へ訪れました。今回はその第3弾として、都内有数の古着タウン「高円寺」エリアへ。コロンビア・あべのHoop店(大阪)の桝本さんと、渋谷店(東京)の西尾さんとともに、春夏物向けのコロンビアの古着アイテムを、定番からレア物まで掘り下げてフィーチャーしました。
新旧のコロンビアを知るオーナーが選ぶコアな年代物
SHOP①『Mr.Chubby(ミスターチャビー)』
高円寺でまず桝本さん&西尾さんが訪れたのは、高円寺南口からパル商店街を抜けてすぐの『Mr.Chubby』です。高円寺と言えば南口から駅周辺の東西に老舗の古着屋さんが数多く存在しますが、駅からちょっと歩いてたどり着くこのエリアは、新しい古着屋さんが増えている通称“奥高円寺”。『Mr.Chubby』も2021年10月オープンという新しいショップで、アメリカ&ヨーロッパのビンテージからドメスティックブランドまで、オーナーおふたりの“好き”をアンテナにセレクトしたアイテムが人気を呼んでいます。
ここからは相方のかずさんとふたりで『Mr.Chubby』のオーナーを務める渡邉さんに、コロンビアでおすすめのビンテージアイテムの魅力や、好きなポイントなどを紹介してもらいます。
「昔のモデルのリバイバルがもっとあったら面白い」(オーナー・渡邉さん)
渡邉さん:昔からアメリカに買い付けに行くときはコロンビアのアイテムをチェックしていて、新作もコラボものなどを中心にチェックしてます。コロンビアのビンテージだと60〜70年代はあまり市場に出回っていなくて、あってもフィッシングベストとかですが、まれにバッグの小物とか見つかったりして。あと90年のウッドランド系とかも、ギミックの変わったアイテムが多くて面白いですよ。
桝本さん:僕が今日着ているのはGRT(Gear for Rugged Trekking and Travel)の00年代のもので、これも取り外しができるタイプで袖を取って着ています。
渡邉さん:00年代に入ると丈が長いものが多いんですが、90年代はまだギアとして作っていた時代で、93〜94年以降からファッションの要素が強くなるんですよね。なので90’sのあとの方が、ファッションとしての着やすさはあるかもしれません。こっちは60〜70年代で、いわゆる“黒タグ”のCS。
桝本さん:こんなロゴがあるんですね!
渡邉さん:やっぱりメッシュが有名ですけど、それよりもっと古くなるとダック地。まあこれ着て川で濡れたらめちゃくちゃ重いでしょうけど、ハハハ! その時代の流行の影響もあって、こういう生地感なんでしょうね。ちなみにタグで言うと、“色タグ”は90’s確定なので。
西尾さん:え、そうなんですね! 知らなかったです。
渡邉さん:単色のタグは90年代後期もあるけど、大体は00年代以降です。
桝本さん:僕のもタグはそうですね。
渡邉さん:あとは定番のPFG(Performance Fishing Gear)。PFGは店でもずっと販売してますが、昔のモノは今ではあまりない色と質感ですね。現行のPFGで出ているシャツの素材はポリエステルですか?
桝本さん:ナイロン100%ですね。
渡邉さん:ビンテージだとわりと生地が違うんですよ。表記的には一緒だけど、しっかりしたコットン強めとか、もっと軽いナイロンもある。僕はどちらかというと生地が強くて厚い方が好きですね。
西尾さん:タグが違うビンテージのアイテムは値段が高いんですか?
渡邉さん:モノに寄りますけど、まちまちだと思います。ビンテージだからものすごく高いかといったらそうでもないし、今の時代はY2K(Year2000=2000年頃のファッション)が流行っているので、そのあたりのアイテムが評価的には高い。例えば、これは古着でもめちゃくちゃ値段がついていて……。
桝本さん:チャレンジーっていうモデルですか?
渡邉さん:そうです。袖にメッシュのやつ。これはバガブーの中でもけっこう人気が高くて、今でもちょっと上のランクかと。90’s好きもオーバーサイズで着れますね。
桝本さん:復刻ではないですけど、僕も2019年に出ていて買いました。
渡邉さん:へー! もうないんですか? これの黄×黒の配色が好きで。
桝本さん:まさにそれです。カッコいいですよね。
渡邉さん:昔あったモデルのリバイバルがもっとあったら面白いなと思います。知る人からしたらから「あ!それ!」みたいな感じで、古着も盛り上がりそうですし、需要はあるんじゃないかなって。今はどこかとコラボしてるんですか? ちょっと前だとアウトドアリサーチさんとのコラボは買ったんですけど。
西尾さん:最近だとPFGでBEAMSさんとコラボして、フィッシングジャケットやトロピカルフィッシュをデザインしたロンTが出てますね。あと同じくPFGで、Kithさんともコラボして、アパレルや小物とかも。
渡邉さん:そうなんですね。このジャケットもそうですけど、コロンビアの古着は「今だとこういうことしないよね」みたいなところがいいですね。
西尾さん:素材に関してもナイロンで作るのがほとんどですし。
桝本さん:ボタンとかも、やっぱり今だとベルクロ(ワンタッチで着脱可能なテープ)になりますよね。
渡邉さん:でも今だからこそ作ったら響く人には響くのかなと。現行のウェアは機能的に優れている良さがありますけど、逆に特徴的なギミックを打ち出すアイテムも面白いと思います。その意味でも、ファッションとして着るならコロンビアの古着は面白いものがたくさんありますよ。