サスティナブルファッションの観点からも、近年その価値が見直されている“古着”。今回は、古着好きのコロンビア社員の方たちと町田の人気ショップ2店舗(『danjil』『DESERT SNOW』)に訪問し、ビンテージでも高い人気を誇るコロンビアの古着にフィーチャー。
フィッシングライン『PFG(Performance Fishing Gear)』シリーズや、独特の素材感&発色のパーカーやジャケット類など、コロンビアというブランドには年代ごとに愛されてきたウェアの名作があります。そこで今回は、コロンビアの“古着”にフィーチャーするショップ訪問企画を実施!コロンビア社員の中でもとりわけ古着好きな小名木さん&日高さんとともに、“古着のメッカ”と呼ばれる町田の人気ショップ2店舗(『danjil』『DESERT SNOW』)を巡り、コロンビアのビンテージの魅力に迫ります。
80・90年代を中心に幅広いカルチャーの古着を豊富にラインナップ
『danjil』
コロンビアの小名木さん&日高さんとまず訪れたのは、80・90年代のHIPHOPやスケートボードなどのストリートカルチャーを中心に、アウトドアやアメカジなどのアイテムも幅広くそろえる町田の人気古着ショップ『danjil』。2年前から店長を務めている野口さんは、元々は『danjil』の常連客! 約6年前に当時の店長から誘われ、アルバイト・社員を経て、現在は店長としてショップの世界観をつくっています。
ここからは『danjil』で見つけたコロンビアのビンテージアイテムについて、それぞれが発売された年代やウェアの特徴などに触れながら、野口さんと小名木さん&日高さんに語ってもらいました。
コロンビア コンバート ナイロンジャケット(90年代)
小名木さん:コンバートはコロンビア内でも触れたことがない人も多いかと。当時は別ラインのスノーウェアで、確か企画も別でやっていたはず。僕もこのスタイルのコンバートは見たことがなかったですね。
野口さん:コンバートは『danjil』でもこれまでいくつか取り扱っていましたが、いろいろと細かな部分を見ると、改めてこの作りだとやっぱりスノージャケットだなと感じますね。最近コンバートはけっこう入ってきて人気ですし、カラーリングやフェルトパッチなども個人的にはすごく好みです。
日高さん:昔のコロンビアのカタログにコンバートが載っていたのですが、紹介文に「ビギナーからハイレベルなライダーまで、より幅広い層に応えるスノーボードウェア」と書いてありました。スキーウェアはスポーティーでビビッドなウェアが多かったのですが、コンバートのようなスノーボードのウェアはくすんだ系の色合いが多くて、そういったカラーは最近のトレンドにもマッチしているのかなと思いました。20年ほど前のアイテムかつ、スノーボードウェアとして実際にフィールドで使われていたものが多いので、きれいな状態のものは出回ることが少なく貴重です。見つけたら即買いした方がいいレベルのものだと思いますね。
野口さん:コンバートを探そうと思うと絶対数がやはり少ないので、店頭に出したときのお客さんの反応は良くて、大体は1〜2週間あればなくなっちゃいますね。
コロンビア ウィリーウォー マウンテンジャケット(90年代)
野口さん:アウトドアブランドのウェアは、どちらかというとデザイン的にも機能的にも必要な部分のみを残すことが多いですが、コロンビアはほかのアウトドアブランドにはない独特のカラーや切り返し方などをしているウェアが多くて、そういったコロンビアらしいスタイルはやはり魅力だと思います。
小名木さん:インターチェンジ(アウターとインナーを連結・着脱することができるシステム)でインナーもしっかりそろっていて、これほど状態がいいのは珍しいですよね。
野口さん:基本はフリースになっているのですが、特にこれはダウンっていうのがいいですね。
日高さん:色もほかのアウトドアブランドはパキッとした原色が多いですが、コロンビアは原色でも「こんな色を使うんだ!」みたいなカラーを昔から使っていて。
野口さん:コロンビアのカラーリングはほんと独特ですよね。
小名木さん:それは当時のアメリカの為せる業と言いますか、アメリカ人の独特なカラーセンスが発揮されたウェアを見つけられるのも古着の良さでしょうね。
野口さん:コロンビアは年代ごとに配色の特徴があって、80年代半ばから後半ぐらいはピンクに水色などけっこうPOPなカラーリングが多いイメージ。90年代に入るともっとパキッとした原色を使いつつ、ネイビーや黒に赤とか。2000年代に入るとアースカラーに近くなっていくイメージですね。時代によって変わるカラーを楽しむのもいいですし、コロンビアは古着に合わせやすいブランドだなと思います。
コロンビア ダックハンターカモ ナイロン マウンテンパーカー(70年代)
野口さん:これはおそらく70年代から80年代の初頭ぐらいで、状態はすごく良いですね。生地が分厚いナイロンもありますが、これは薄手のサラッとしたダックハンターカモです。
日高さん:ハンティング向けにつくられたものですね。薬莢(やっきょう)をしまうポケットやサイレントレインという生地など、ハンティングモデルならではのデザインや素材遣いは面白いですね。ここまで状態が良いものは初めて見ました!
野口さん:ポイントとしては70年代から防水素材を使っている点で、そのあたりはコロンビアって早いですし、服好きとしてはテンションが上がりますね。あと自分はこの時代のタグが好きです。“イエローストーンタグ”と呼ばれているそうですが、あまり多くないので見かけたら欲しくなっちゃいますね。
小名木さん:僕らも知らないものがまだまだたくさんあると思いますし、古着で「めちゃくちゃいいじゃん!」と思うコロンビアのウェアが出てくることは今でもけっこうありますね。
コロンビア バガブーハット(80年代)
野口さん:この仕様はバガブーのインターチェンジシステムで、それをキャップにも使うのかというところが魅力ですね。インターチェンジ=ジャケットだけではない発想が面白いですし、外はナイロンの内がフリースで、取り外しも可能です。もちろんその組み合わせで被るのが一番いいですが、耳の感じだけ欲しいときは中のフリースだけ取って、ほかのキャップと合わせて被るっていう楽しみ方もできますね。
日高さん:内側のフリースをコロンビア商品以外の帽子と組み合わせるのは、自分たちにはなかった発想です。ピッタリ合うのを探すのも楽しそうですし、そういう被り方もありですね! 今日は現行のバガブーを持ってきました。ロゴやサイズ感の違いが感じられますし、機能的にはもちろん今の方が優れていますが、昔のはデザイン的な良さがありますね。
コロンビアのおふたりも見たことのないレアなアイテムの数々に、時間がいくらあっても足りないほど古着トークが白熱! 最後は野口さんに、改めてコロンビアというブランドとその古着の魅力を聞きました。
野口さん:自分のファッションの入りがB-BOYだったので、コロンビアはラッパーやダンサーが着ているイメージでした。ただしそこからいろいろなウェアを掘っていくうちに、カラーリングやディテール、1着で3wayを楽しめる機能性など、ほかのアウトドアブランドにはない魅力を感じて個人的にもすごく好きなブランドです。特に時代で変わるカラーリングは今着ると新鮮な印象ですし、お手頃で買える値段も魅力のひとつだと思います。