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2021.10.15

SHIPSのバイヤーが惚れ込んだ独自テクノロジー“OMNI-HEAT”とは?

シップスがコロンビアに別注したフリースベストが絶賛発売中!独自機能 “OMNI-HEAT(オムニヒート)” を初めてセレクトショップの別注として採用したスペシャルなアイテムの魅力やこだわりについて、シップスでバイヤーを務める瀬谷俊法(せや としのり)さんにインタビュー。

国内において“セレクトショップ御三家”と呼ばれるシップスが、コロンビアに別注したフリースベストをリリース。コロンビア独自のハイテク機能 “OMNI-HEAT(オムニヒート)” を初めてセレクトショップの別注として採用し、デザインはシップス流にアレンジ。機能とデザインが高次元に融合したスペシャルなアイテムに仕上がっています。今回はシップスのバイヤー・瀬谷俊法(せや としのり)さんに、フリースベストを別注した経緯やバイヤー目線で見たオムニヒートの魅力、そして別注アイテムに込めたこだわりなどについて聞きました。

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コロンビアとシップス。どちらのファンにも相互性が生まれるコラボ

まずはシップスが数あるアウトドアブランドの中から、別注コラボレーションの相手にコロンビアを選んだ理由や経緯について、2013年にアルバイトとしてシップス原宿店に入社し、以後は社員として渋谷店、恵比寿店での勤務を経て、2018年からはバイヤーを務める瀬谷俊法さんにお話を聞きました。

「シップスはもともと、“SHIPS Days”というライフスタイル提案のブランドを展開していて、そこでたびたび別注を提案していたのがコロンビアさんでした。今回の別注のお話もその流れを引き継いでいる形になります。個人的にコロンビアさんのイメージは、やはり独自の機能素材が他のアウトドアブランドにはないユニークな点だと感じていて、それは別注で携わっていくうちにより理解していきました」

シップスとコロンビアのアイテムに馴染みのある方にとっては周知のコラボですが、ファッションに詳しくない方の中には、ある意味で“毛色の異なる”ブランド同士の別注が新鮮に映るかもしれません。

「確かにそうかもしれませんね。それにもともとの“SHIPS Days”でやっていたコロンビアさんとの別注はフリースのカーディガンなどをやっていて、今回のような機能素材を使ったアイテムではありませんでした。僕が別注を担当するようになってから機能素材を使ったシップス×コロンビアのアイテムが始まり、今までは秋冬だけでしたが、2021年からは春夏もコラボをさせていただけるようになりました」

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そして新たな別注コラボの推進力の裏には、シップスというブランドの意向に加えて、瀬谷さんのバイヤーとしての着眼点と、自身の好みも強く反映されているようです。

「あくまでもシップスというブランドの範囲での別注にはなりますが、僕の好みで推したい気持ちは大きいですね。コロンビアさん独自のアウトドアスペックの素材を生かしつつ、ファッション要素が立ったアイテムに昇華していけるような取り組みをしたいというのが、今回の別注アイテムのテーマでした。また、コロンビアさんのファンにとってのシップス、またシップスのファンにとってのコロンビアさんのように、今まで手を取らなかった層にも興味を持ってもらえるような、相互性が生まれるコラボを目指しました」

コロンビアの機能性とシップスのデザイン性が融合したフリースベスト

今回の別注フリースベストの機能面での肝は、なんといっても身体の熱を反射するコロンビア独自の保温テクノロジー“オムニヒート”。タフな環境下でのいくつものテストをクリアした保温性と、特殊なアルミニウムをドット状に配置することで生まれる通気性を高次元で両立した素材はプロの登山家たちからも支持され、またジャケットのみならずさまざまな製品に応用できる点が革新的なテクノロジーです。

このオムニヒートという機能素材にシップスが注目した背景には、瀬谷さん曰く「シップスが21S/Sでコロンビアさんに別注した“オムニフリーズゼロ”機能素材のアイテムの反応が非常に良かった」ことが挙げられ、そこから秋冬バージョンとして暖かさが魅力のオムニヒート素材を使ったアイテムの制作へと進んでいきました。

「もともと、秋冬のアイテムとしてベストを作りたいと考えていて、そこからコロンビアさんにベストに合った機能素材のご相談をしました。僕自身の考えとしてはオムニヒートのような機能素材に強みがあるコロンビアさんにせっかく別注をお願いするのであれば、あえてファッション寄りのアイテムを選んだ方が、ただオシャレ風ではなくしっかりと機能も備わっているという意外性を出せると考えました」

瀬谷さんが感じるオムニヒートの魅力。それは機能面はもちろんのこと、“見た目”にもあると言います。

「まず生地にアルミニウムをドット状にプリントした見た目がとてもキャッチーですよね。そのキャッチーさというのは、接客するときの謳い文句のひとつとして機能の魅力プラスでお客さまに伝えられるので、おそらくお客さまも僕と同じようなファーストインプレッションで手に取りやすいのかなと感じます。もちろん機能的にはかなり暖かいですね。すごく熱がこもるといいますか、保温力は素晴らしいですね」

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そしてフリース“ベスト”というチョイスは今回の別注におけるデザイン面での肝であり、そこにはこれまでシップスが磨き上げてきたアイテムのデザイン力・アレンジ力が随所に生かされています。

「定番のフリースベストはアウトドアブランドの中にすでにあると思いますが、秋の早い段階からロンTの上に着られて、寒くなってきたらコートの中にも着られるような、非常にレイヤリングに富んだアイテムとしてのベストをシップスは提案したかったんです。それと中途半端に機能素材を使ったファッション寄りのベストですとお客さまはアウトドアブランドのベストを買うと思いますので、その部分は機能素材のプロであるコロンビアさんにお願いする形でハイテクなフリースベストを作ることができました」

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モダンさとアクティブさを併せ持つ、新しいコーディネートの提案

それぞれのブランドの強みを生かすことで、これまでありそうでなかった、機能とデザインを高次元で両立したフリースベストがここに誕生。シップスの提案で一から手掛けたリラックスフィットは、コロンビアにはないオリジナルのサイズ。そしてオムニヒートのポップな見た目と反して、カラーや毛並みは落ち着いたきれい目の印象に。結果、幅広い層のコーデに合わせやすいデザインの1着に仕上がっています。

「ブランドの刺繍なども同色にしている点も含め、主張は抑え目にしています。ベストの魅力としては重ね着ができることでコーデの幅が広いという点で、今回は近代ミリタリーにあるようなフェアリーなフリース素材をあえて使用しているので、レイアリングで異素材なテイストを楽しんでいただきたい。例えば、インナーに無地のネルシャツやロンT、スウェット、もう少し寒くなってきた時はきれい目のメルトンのコートの中に着たりしてほしい。コロンビアの得意とするアウトドアスペックを搭載しながらも、クラシックなコートを合わせることで、非常にモダンな新しいコーディネートの提案ができたのではと思います」

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瀬谷さんとしては、「これまでのコロンビアさんとの別注でやってきたモデルと異なったベストという新たなモデルに切り替えることができ、新しい提案のアイテムとして次の1歩が踏み出せた」という手応えを感じています。

「見た目の面白さとコーディネートのしやすさ、リーズナブルな価格も含め、今までシップスやコロンビアさんのアイテムを買って下さっているお客さまのクローゼットの中になくて、なおかつ一瞬のひらめきで手が出しやすいという点が今回のフリースベストの魅力ですね。これからもコロンビアさんがインラインで出しているアイテムとは異なるテイストをシップスが提案し、双方に良い関係が築けたらなと思います。シップスとしてはコロンビアさん独自の機能素材のようなものはどうしても作れないので非常にありがたいですし、今回でコロンビア×シップスのコラボによるアイテムの“核”になるイメージができたと感じました」

ファッションにおいてアウトドアとタウンユースの境界線が混ざり合い、どちらのシーンでもマッチするウェアやアイテムが支持される今。シップスとコロンビアの強みを融合し、モダンさとアクティブさを併せ持つテーマで誕生したフリースベストは、多くのファッション&アウトドア好きのニーズを満たしてくれるでしょう。

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INFORMATION

今回の別注アイテムの詳細はこちら

●プロフィール

瀬谷 俊法(せや としのり)
1994年、茨城生まれ。学生時代よりアメリカンカジュアルにのめりこみ、18歳でシップスへ入社。原宿店、渋谷店、恵比寿店の勤務を経て、2018年よりバイヤーを務める。バイイングで大切にしているのは”感性”。シップス初のメンズスキンケア商品開発を担当する。

Text:ラスカル(NaNo.works)

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2021.10.15