アウトドアの自然をゆったりと楽しめることから“歩く旅”とも呼ばれるロングトレイル。日本有数のコースの中でも今回は、富士山ガイドが自然の中を歩き富士山を一周するために作った、新たなトレイル『富士山ロングトレイル』をいち早くご紹介。スルーハイカー第1号を目指し、コロンビア・ロングトレイルハイクのアスリート&アンバサダーである“MASA”こと斉藤正史さんがオープン前にチャレンジした模様をレポートする!
富士山ロングトレイルって何だ?
まず最初にこの富士山ロングトレイルのお話を聞いた時、ぐるっと富士山をただ一周するだけのルートかな? と思った。実際に情報を検索すると、道路を歩いて一周するルートが地図上に出てきた。しかし、この一周にはさまざまな想いが込められているようだった。
2020年、新型コロナウイルスの影響を受け、訪れる人が激減した富士山。富士登山ガイドたちにも大きな影響を与え、通常のガイドができない中でも、富士山の新たな魅力を見つけて発信していこうという取り組みから生まれたのが、この“富士山ロングトレイル”だった。
山梨と静岡、両県にまたがる富士山を一周するコースになっていて、歩いて回りながら、さまざまなスポットを楽しんでもらおうと作られたロングトレイルだ。
例年20万人を超える登山客が訪れる富士山なのだが、2020年は登山道が閉鎖になり、訪れる人々は例年の2割以下になった。
富士山を良く知るガイドにとっては、新型コロナウイルスの影響により登山客が減っていくことに歯止めを掛けたいとの願いもあり、今回の富士山ロングトレイルを構想した、マウントフジトレイルクラブ代表の太田さんは「富士山山頂を目指さなくても楽しめるツアー作り」に乗り出した。
この構想には、“富士山ロングトレイル”をきっかけに、“また富士山を訪れる方に戻ってきてほしい”という想いが込められているのだ。
富士山ロングトレイルのコースはこれだ
僕が富士山ロングトレイルを歩く行程はモデルコースに従って、4月1日~4月14日までの14日間と決まった。トレイルコースのオープンより2週間ほど前に歩き終える予定だったこともあり、地図データなどは揃っていなかったが、ファイルでもらった地図情報を元にGPSデータで作成してみると、ルートはこのような形に。
作成したGPSデータをスマートフォンに送り、GPSアプリでデータを読み込ませる。すると、富士山を一周するルートがどのような道のりなのか、ある程度把握できた。
富士山を中心にぐるっと一周する。一周するルート自体は約200km程度だが、宿までアクセスするルートまで入れると、おそらく240kmほどになると思われた。
今回はモデルルートを歩くので、毎日宿かキャンプ場に泊まる事になる。少なくとも飲み水以外に使う水は背負わなくてもいいのだろうなと思った。