サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさんが、エベレストサミッター・伊藤伴さんのガイドで、ひそかに憧れていた登山を初体験&開放的なアウトドアサウナを満喫!登山×サウナというコラボレーションがもたらす、新感覚の“ととのう”とは?
生粋のサウナ好きとして知られる女優の清水みさとさんが、初めての登山×サウナのコラボを体験! エベレスト日本人最年少サミッターになった経験を持ち、現在は登山ガイドとしても活躍している伊藤伴さんをガイド役に迎え、山梨県大月市にある大菩薩南嶺の最南端・滝子山へ。そして登山を体験したあとは、同じく大月市にある渓谷に囲まれた宿『金の森山荘』でサウナを満喫! 体を動かしてリフレッシュできる登山と、心身ともにリラックスできるサウナのコラボレーションによる新感覚の“ととのう”とは? また、登山とサウナそれぞれのプロとして、伊藤さんと清水さんから初心者に向けてのアドバイスもインタビューで聞きました。
「山に登る理由はシンプルでいいんだよ」(伊藤さん)
伊藤さんと清水さん一行は登山支度を整え、いざ今回の登山×サウナ企画の目的地、滝子山(たきごやま)の登山口である道証地蔵(みちあかしじぞう)へ。
伊藤さん:今日登る滝子山は、大きなくくりでは奥秩父山塊(おくちちぶさんかい)と呼ばれるエリアの最南端にあります。このあたりは“水源の山”と呼ばれ、保水力が高いため豊かな森が特徴。奥にある笠取山は多摩川の最初の一滴となる源流で、関東や東海を含めてさまざまな町の水源になっています。
清水さんは今回が初登山! 普段から歩くことが好きで、毎日2万歩(!)も歩くのが習慣という清水さんですが、サウナ以外のアウトドアでのアクティビティにはこれまであまり縁がなかったそうです。
清水さん:登山はハードルの高いイメージがあったし、「何が必要なんだろう……」とか「何も知らなくても行けるのかな……」とか考えてたら、簡単に手は伸ばせなくて。ただあるとき『山と食欲と私』(信濃川日出雄・著)っていう漫画を読んで、「私も山に登りたい!」と思ったんです。私は歩くのも食べるのも好きだし、まさにこれだって。そのときからいつか登山をしてみたいと思っていたので、今日はすごい楽しみです。
まずは伊藤さんが登山初心者の清水さんに、登山を楽しむ際のウェアや装備の基本をレクチャー!
伊藤さん:初心者の方におすすめする装備で言うと、一般的には登山靴、レインウェア、バックパックが“三種の神器”と言われていて、個人的には登山靴がまず大事かなと思います。地面とダイレクトに接するものですし、普段は歩かないような路面を歩くので、滑りにくく、足首を守ってくれる登山靴があると安心ですね。あと理想を言えば、登山靴は一度どこかで履いて試しておくと、いざ山に登ったときに足に合わなくて靴擦れを起こす……なんてことは防げるかと。レインウェアやバックパックに関しては、最近は街でも山でも兼用できるモデルがたくさん出ているので、初心者はそういうのを最初に選ぶのがいいと思います。
さらに出発前、清水さんのシューズを見た伊藤さんから「登山靴は普段よりも靴ひもをしっかり締めておくといいですよ」というアドバイス。伊藤さんに靴ひもを締め直してもらうと、「自分の想像の5倍ぐらいフィットしました!」(清水さん)とのことで、こういった細かな部分にも注意すると初心者はGOOD!
いざ準備が整ったら、いよいよ登山をスタート! 今回は滝子山の登山道の中でも初心者向けのルートを、伊藤さんのナビゲートの下、ゆっくりとしたペースで進んでいきます。この日はちょうどいい暖かさと、気持ちのいい風に包まれる絶好の登山日和で、木漏れ日の美しい山の景色が私たちを迎え入れてくれました。
伊藤さん:登山初心者の方におすすめのスポットで言うと、今日の滝子山も最寄りにJR中央線の駅があるので電車でアクセスしやすいですし、あと関東近郊の人だったら東京の西にある奥多摩エリアや、神奈川県の北西部にある丹沢エリアなどは都内から日帰りでも行きやすいですね。山によってはロープウェイがあるので、行きは歩いて登って、帰りはロープウェイを使うのも慣れていない人はいいのかなと。人気の山は道も整備されていて歩きやすいですし、看板も立っていて迷いにくいので、初めての人でも安心ですよ。
ある程度まで進んだら、開けた場所の岩場で、大自然の空気をいっぱいに吸い込みながらしばしの休憩。
伊藤さん:ガイドで登山を一から教えてほしいって仰る方も多いのですが、一緒に登ると皆さんそれぞれの“着眼点”が違って面白いんですよ。清水さんのように『山でごはんを食べてみたい!』という方もいれば、『お花が大好きなんです』という方や、珍しいのでは『地質が好きなんです』っていう方もいて。本当にいろいろなんです。誰かと一緒に行くと、同じ山、同じルートでも人によって見ているところが違うので、そういうのを聞くと僕もたくさん気付きがありますし、それはガイドをやっていて楽しいなと思える瞬間ですね。
この日は山頂まで登るのではなく、当初の予定で目指していた中間地点まで到達したら、お楽しみのサウナのために下山。それでも念願の登山を初体験できた清水さんの顔には、満足感が漂っていました。
清水さん:今日体験してみて、もう次いつ登ろうかなって思うぐらい、完全にとりこになりました。先ほど伊藤さんが、『山に登る理由はシンプルでいいんだよ』って仰っていて。私で言うと山でおにぎりを食べたいとか、それぐらいの簡単な理由で登ってもいいんだったら、私でも行けちゃうかもって思いました」
伊藤さん:僕らも「コーヒー飲みに行こう!」みたいな理由で山を登ることもあるし、もっと短い時間で景色の良いスポットに行ける山もいっぱいあるので、そういうところからチャレンジしてみるのがいいと思います。やっぱりフィールドに出ることは、気持ち的にすごくリフレッシュできるので。
清水さん:「山にコーヒー飲みに行こうよ!」みたいな楽しみ方は魅力的ですね。同じコーヒーでも、都会で飲むのと山で飲むのとでは、全然違う感動があるんだろうなって今ならわかります。あと山から下りたあとにコンクリートの上を歩いたら、その感触の違いにびっくりしました。固くて、平らな方が便利なのかもしれないけど、さっきの方が踏み心地が良かったなって。「デコボコした道って普段歩いてないんだなぁ」ってとてもシンプルな気付きもあったし、そういう原始的な感覚は普段の生活では感じられないなと思いました。